典型13種類の契約

典型契約と非典型契約

民法上、契約は次の通り規定されています。

契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

民法第522条1項

そして民法(549~696条)では13種類の典型契約を定めており、その権利義務について規定を設けています。

ただし契約自由の原則から、契約の内容や方式も当事者が自由に取り決めすることができるため、典型契約には該当しない無数の契約が存在します。これらの契約を非典型契約と言います。実務で頻出する非典型契約については別記事で詳しく解説します。

典型契約13種類

それでは具体的に13種類の典型契約を見ていきましょう。

13種類の契約

  • 贈与
  • 売買
  • 交換
  • 消費貸借
  • 使用貸借
  • 賃貸借
  • 雇用
  • 請負
  • 委任・準委任
  • 寄託
  • 組合
  • 終身定期金
  • 和解

13種類の典型契約は、大きく分類すると「財産移転に関する契約(贈与・交換・売買)」「貸借に関する契約(消費貸借・使用貸借・賃貸借)」「労務提供に関する契約(雇用・請負・委任)」「その他の契約(寄託・組合・終身定期金・和解)」の4つとなります。

1. 贈与

贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

民法第549条

売買や交換の契約と異なり、無償で財産を移転する契約となります。贈与契約の解除や贈与者の引き渡し義務等についての規定があり、「定期贈与」「負担付贈与」「死因贈与」についても記述がなされています。

2. 売買

売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

民法第555条

売買契約にはかなりの条数が割かれており、555~585条まで規定が設けられおります。詳しくは割愛しますが、構成としては以下の通りです。

  • 第一款 総則(555~559条)
  • 第二款 売買の効力(560~578条)
  • 第三款 買戻し(579~585条)

特に第二款においては、売主買主の義務や契約不適合責任等について詳しく規定がなされております。

3. 交換

交換契約に関する民法の規定は以下の通りです。

交換は、当事者が互いに金銭の所有権以外の財産権を移転することを約することによって、その効力を生ずる。
2 当事者の一方が他の権利とともに金銭の所有権を移転することを約した場合におけるその金銭については、売買の代金に関する規定を準用する。

民法第586条

4. 消費貸借

消費貸借は借りたものを消費することを前提とし、種類・品質・数量の同じ物をもって返還する契約です。よくある契約として金銭消費貸借契約が挙げられます。消費貸借契約の民法の条文は以下の通りです。

消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

民法第587条

なおこの条文では物を受け取ることによって契約が成立(要物契約)しますが、以下の通り書面によって契約が成立(諾成契約)するものもございます。

 前条(587条)の規定にかかわらず、書面でする消費貸借は、当事者の一方が金銭その他の物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物と種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

民法第587条の二

5. 使用貸借

 使用貸借は、当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。

民法第593条

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